- 土井良浩
- DOI YOSHIHIRO
- [ 地域社会研究科 准教授 ]
目線を変えて行動を
今回は、「住民が主体となるまちづくり」についての研究です。
みなさんは、自分の住む地域が「こんな風になったらいいのになあ」と思ったり、「地域をもっと元気にしたい!」と思ったりしたことはありませんか?そんな人達の思いを形にするための方法や仕組みを、本学の土井良浩先生は研究しています。
「まちづくり」ってどんなイメージ?
みなさんにとって、「地域づくり」や「まちづくり」は、どんなイメージですか?行政や専門家の人達が「やってくれるもの」と思われがちですが、地域の人達の集いの場をつくり、ふだん地域について感じていることを共有し、集まった人達で「やりたいこと・できること」のアイデアを出し合い、それを磨き上げて自分達で実行することにより、私達自身がまちづくりの主役になることができるのです。
土井先生は、実際の地域づくりプロジェクトの運営に携わりながら、地域の人々が主体的に地域づくりをしやすくするためには、どのようにサポートすれば良いのかを研究しています。
まちづくり研究の最大の特色は、研究者が実在の地域でまちづくりに関わりながら研究を進めることができる点にあります。
小比内地区の若い世代の思いを形にするプロジェクト
例えば、弘前市の小比内地区では、若い世代の人達が弘前市役所、地元町会の役員や土井先生のサポートを得ながら、ねぷた運行や餅つき大会など、住民主体のイベントを実現させました。「自分の住む地域でこんなことをやってみたい!」という思いを形にするプロジェクトをやり遂げたことによって、若い世代の自信は深まり、今では、定期的に集まって、自分たちだけで、楽しみながらまちづくりを企画・運営しています。
こうしたプロジェクトや研究の成果を多くの人々と分かち合うため「まちづくり新聞」を作成し、小比内地区の各戸に配布しています。それを読んだ人達が「おもしろそう」と感じて参加してくれたら、まちづくりは更に盛り上がるのです。
プレイヤーとなるのはあなたです!
大人も子供も、住民一人ひとりが地域づくり・まちづくりのプレイヤーになることができます。ですが、まちづくりには、正解はありません。みなさんが起こすそのアクションが、よりよい地域へと導く第一歩となるでしょう。
最後に、土井先生からのメッセージ
まずは「自分の住むまち」を普段と違う目で眺めてみてください。それぞれのまちには「そこにしかないもの」が存在するはずです。自分が住み慣れているまちの外に出ると、自分のまちの特徴を掴むことができるので、可能な限り色々な地域に出向いてみましょう。
自分の暮らすまちを歩きながら、自分にとって魅力的な場所、大切な場所はどこか、あるいは変えてみたい部分はないか、考えてみてください。
みなさんには、現在を変える力があります!
ワークショップの様子
陸奥新報社 2023年(令和5年)2月6日 掲載(PDF)
ライター:人文社会科学部 3年社会経営課程地域行動コース3年 木村 愛華
イラスト:弘前大学教育学部 ひつじ玲汰
担当 :弘前大学研究・イノベーション推進機構