最新の光遺伝学を用いた特異的神経回路の光操作法

内容

運動制御における大きなテーマの一つが、運動の概念生成から実行までの脳内ネットワーク機構の解明です。一例として、到達運動に代表されるように、同じ視覚目標に対し手と眼という全く別の効果器を協調して運動制御を可能にする高次機能を有しています。このような目標点への手および眼球の到達運動が、どのような神経ネットワークによって制御されているかを明らかにしようとしています。この到達運動は中枢内の視覚情報処理をもとに、大脳皮質の運動関連領野と皮質下の大脳基底核や小脳が連関することによって達成されます。そのため、これら協調運動に重要な役割を果たす大脳皮質の運動関連領野や前頭前野、さらに皮質下の大脳基底核や視床運動から課題遂行中のニューロン活動を記録するとともに、最新の光遺伝学、ウィルスベクターを用いた特異的神経回路の光操作法を導入し、統合的に駆使して霊長類における脳機能の研究に取り組んでいます。