腎機能の差異がプレセプシンへ与える影響

内容

プレセプシンは新しい敗血症診断マーカーとして保険収載され、臨床使用可能となりました。従来のマーカーと比較し、敗血症の早期診断や重症度評価にも有用とされています。一方、腎機能障害患者では、プレセプシンが偽陽性を示すとの報告がありますが、腎機能がプレセプシン値に与える影響については明らかにされていません。敗血症は集学的治療にも関わらず依然死亡率は高く、早期診断および早期目標指向型治療が救命率向上に重要です。プレセプシンは健常者と感染症を合併していない全身炎症反応(SIRS)患者と比較すると、敗血症患者で有意に高値を示し、敗血症の診断に有用であることが示されています。プロカルシトニンやIL-6など他の敗血症マーカーに比較して高度な外傷患者の場合であってもプレセプシンは低値を示すことから、疾患特異性の高いマーカーであることも示唆されています。さらに重症度ともよく相関し、敗血症の重症度の指標であるAPACHEIIスコアやSOFAスコアとも正の相関関係があるといわれています。