内容
本研究室では,消火剤の輸送方法を工夫することで,従来からある消火剤の消火効果を増大させる新しい消火方法を実験的に検討しています。
従来からある一般的な消火機器または消火設備は消火剤を火源へと輸送するとき,単純に空気中に消火剤を高速で噴出させて火炎へと供給する方法がとられます。この場合,消火剤の濃度は,消火剤の空間中の進行と伴に低下してしまいます。そのため,火災が生じている領域で,消火剤濃度を消火が可能となる値にまで高めるためには多量の消火剤を空間中に散布する必要があります。その結果,水や粉末消火剤を用いる場合,消火活動に伴う2次的な被害である水損や汚損が生じてしまいます。
そこで,消火剤と周囲空気との接触を防ぎ,高い濃度を維持したままで消火剤を火源へと供給するために,本研究ではカプセルを用いた消火法を検討しています(画像1参照)。また他に,消火剤の効率的な輸送を目指して渦輪を利用した消火についても検討を行っています(画像2参照)。更に,大規模地震後に生じる火災に対する緊急の消火手法として爆薬を用いた消火法についても検討を行っています(画像3参照)。