ベトナムにおける青果物「提携取引」の展開に関する研究

内容

開発途上国では、一般的に流通経路が発達しておらず、消費者と生産者がバザールなどで直接取引を行う形態が極めて一般的です。実際、ベトナムでは青果物の流通経路は先進国と比較して短く単純になっており、先進国で広がっている食と農の乖離や、その間に資本が介在することによる課題はそれほど表面化していないと思われます。しかし、中部・南部における大型青果物産地の形成、外資系スーパーマーケットの小売業参入など、流通面では大きな変貌を遂げつつあります。特に生産段階における急速な農業の近代化と農薬・化学肥料の使用量増加から、ベトナム国内における食の安全性に対するリスクは、先進国が経験した以上の速さで高まっています。これに対して、ベトナム政府は安全野菜という青果物の第三者認証システムを整備し、普及を急いでいます。認証制度や品質管理に関する研究や、現実的に消費者の求める安全性の高い食品流通システムを検討することが求められています。