オフポンプ冠動脈バイパス手術を主体とした虚血性心疾患・弁膜症・大動脈疾患治療

内容

成人の心臓疾患の外科治療に取り組んでいます。虚血性心疾患に対する外科は体外循環を用いない心拍動下の手術を積極的に行なっており、これに関連する器械の開発も行なっています。大動脈外科では、大動脈の動脈硬化性病変の成立機序の解明、大動脈の可視化モデルによる流れの解析、このデータに基づく新しいカニューレの開発などに取り組んでいます。体外循環の侵襲を軽減するため、体外循環中の血小板の保護や炎症反応の抑制などを研究しています。術後の凝固系の機能変動を研究し、深部静脈血栓や肺塞栓症の発生抑制を解明しています。さらに、ストレスと心臓病やエコノミークラス症候群と肺塞栓症の関係についても検証しています。また、理工学研究科と協力して、循環系の生体力学的な研究を行なっています。このデータに基づき、遠隔操作式手術用ロボットの開発や大動脈内の流れの可視化など、新しい医療機械の開発を進めています。節足動物の運動器の研究を通じて、小型化した手術ロボットへの応用を検討しています。