ネパール大震災後のヒマラヤ植物遺伝資源の保護・保全と持続的利活用

内容

ネパールヒマラヤには、その類い稀な気候環境や地形の多様性により育まれてきた豊富な植物が存在し、他の地域では見ることのできない固有種が多く自生し、独自の植物多様性や進化適応がみられます。このヒマラヤ独自の生態系の保全は生物多様性の面から重要であるばかりではなく、将来的に我々人類にとって有用な植物多様性の確保にも繋がる重要事項です。その一方で、ヒマラヤ山岳地域には古くから独自の生活を営んできた様々な山岳民族が暮らしており、生活に密接に関わる独自の植物や土地利用をしてきました。ヒマラヤ環境の変化はそこに暮らす人々への影響も無視出来ない大きなものと考えられます。2015年4月25日に発生したネパール大地震は山岳環境を大きく変貌させており、その現状の詳細把握と将来持続的な生物資源保全に関わる取り組みは喫緊のものとなっています。保護・保全と、持続的利用を可能にするための取り組みを実現してゆくための基礎、プラットホームを創出することを目指しています。