セリの栽培における特殊水田の役割とその管理

内容

全国的に地域に根ざした伝統野菜に高い注目が集まっています。その1つであるセリは、春の七草にも数えられる古くから馴染みある冬野菜です。しかし、栽培セリとして存在する地域は少なく、弘前周辺で採れる「一町田セリ」は北限の栽培セリとして「清水森ナンバ」などと並んで津軽のブランド野菜として高い可能性を持っています。セリは宮城や茨城が主産地ですが、その栽培や水管理については地域ごとに特色をもった方法が取られています。一般的には別の畑で種ゼリを栽培したのち、本田に移植栽培することを基本としています。しかし、一町田地区の栽培は収穫時に一定区画を翌年の種として残し、それを翌春に分散再移植する土地集約的な栽培方法が取られています。

今後、農業土木的な視点から特殊水田の一つであるセリ田の管理方法やセリの分析を進めることにより、他地域の産品との差別化やブランド力の向上が期待され、今後この地域の特徴ある研究に発展していくと考えております。