年輪生態学による森林動態の解析および植物・植物群落の保全保護

内容

森林を形成している樹木から年輪サンプルを取り出し、年齢構成から世代交代の実態を再現して森林の維持機構を明らかにしています。また、こうした年輪サンプルの年輪幅には毎年の環境がさまざまな影響を与えていることから、年輪年代学的方法を適用して年輪幅や材密度と過去の気候環境との関連性を解析します。白神山地にはブナのみならずたくさんの植物達が生育しています。これらの植物は日本海側の厳しい多雪環境に適応し、生育していると考えられます。生活史や繁殖システム、個体群や群集の動態について明らかにするとともに、他地域との比較研究を進めることで、多雪地域の植物種の特徴やその進化過程などを明らかにします。原核生物に関しては土壌中や樹木表面などに生息する細菌の多様性の解明、真核生物に関しては有用真菌類の取得を目指しており、これまでに、系統的に新規性の高い細菌株やパン・酒類製造に応用が期待できる酵母を白神山地から分離しています。