地中熱を利用した採熱効率の高い融雪装置の提案

内容

降雪地帯では、除雪作業が生活の一部になっており、高効率で低コストな除雪手段が社会的ニーズとなっています。現在普及している融雪装置は、灯油を燃料とした循環温水や電熱線によるものが良く知られていますが、ランニングコストが高く問題となっています。

本研究で対象にしている地中熱の利用は、ランニングコストが低く優位な特長をもっています。しかし、地中熱を利用した現在の融雪装置は地中への熱交換井(熱交換配管)やヒートポンプの設置が必要になるため、ボアホール方式のボーリング工事(深さ50m以上)では初期コスト等の別の問題が発生しています。さらに、ヒートポンプの霜取り運転によるエネルギー消費の問題も生じることから、我々はボーリング工事を必要としないヒートポンプレス融雪装置の開発を進め、一般家庭への普及を目指しています。

現在、深さ10mの鋼管杭を回転埋設して熱交換井として利用した研究開発を実施しており、従来方式と比べて大きく低下する採熱量を地下水の利用により改善する等、新規のアイディア創出とその実証を行っています。