くも膜下出血の新規治療法の開発を目指した基礎研究

内容

くも膜下出血は、診断技術や治療技術が進んだ現在においてもなお生命予後および機能予後の悪い疾患の一つです.画像診断技術の進歩により、未破裂の脳動脈瘤が発見される機会が多くなってきましたが、その治療法は外科的手術に限定され、薬物治療などはまだ確立されていません。また、くも膜下出血後の急性期に起こる初期脳損傷はEarly brain injury(EBI)と呼ばれ、くも膜下出血の予後に大きな影響を与えると考えられていますが、まだこのEBIにたいする治療法も確立されていません。我々は、くも膜下出血の新たな治療法の開発を目指して、脳動脈瘤の形成過程及びくも膜下出血後のEBIに焦点を当て、その分子レベルの発生機序について解明を行っています。