日本のコミュニティにおける子どものCU特性と問題行動との関連

内容

 日本版CU特性検査は、現在標準化が行われています。また、成人のサイコパシーについての研究は行われていますが、子どものサイコパシーについての研究は少なく、さらに反社会性行為との関連をもっとも示すCU特性についての研究は見当たりません。世界的に使用されているCU特性尺度であるICUの日本語版を使用し、こどもの問題行動との関連について大規模調査を行います。また、子どもの問題行動、攻撃性については、自閉スペクトラム、多動など他の発達特性の影響も鑑みる必要があります。これらにも着目し、CU特性と問題行動の関連について検証します。いじめや犯罪の低年齢化は社会的な問題となっており、コミュニティレベルにおける子どものCU特性を把握し、反社会的行為への早期介入、より重大な反社会的行為の予防につなげる意義は大きいと考えます。さらなる縦断研究、生物学的研究の基礎ともなり得ると考えられます。さらに他国との比較といった研究にも活用できる可能性があり、その有用性は高いといえます。