農食分野への応用を目指した高性能画像計測技術

内容

 農業分野において様々な情報技術が幅広く応用されています。農業における対象物の分光情報を迅速かつ非破壊的に収集するための分光計測法は、その中でも最も重要なものの一つです。近年、分光計測と画像化の融合を特徴としたハイパースペクトル画像計測技術が飛躍的な発展が遂げられています。この技術により、分光と位置情報を同時に取得し、観測対象における様々な情報の予測・評価および各種情報分布の可視化画像を得ることが可能になり、これまで温州ミカンの樹体栄養診断と収量早期予測にて研究実績があります。また、青森県の特産でもあるりんご樹の精密栽培管理には、葉のスペクトル特性と窒素含有量との相関関係から樹体の栄養状態を把握する事が可能と考えています。ハイパースペクトル画像計測の更なる応用としては、農産物・食品の鮮度、栄養成分などの品質評価および食味官能評価に展開が可能です。本計測方法は2次元の空間的情報を計測する事が可能なため、従来方法では計測する事が難しいサンプル内品質のばらつきを計測できる特長をもちます。