初期発育強化による食肉の早期仕上げ技術

内容

国産牛肉生産の競争力強化に必要なコスト低減のためには、大幅な肥育期間の短縮が必要であり、社会的なニーズとしても挙げられています。

本研究は、胎内発育の制御により肉用家畜の生理特性を不可逆的に変化(プログラミング)させ、出生後短期間の栄養による新たな家畜飼育技術の開発を目指しています。ヒトの医療分野においては、胎児期および哺乳期の栄養状態の違いが、成人後の肥満や内分泌代謝特性、生活習慣病の発症に影響することが疫学調査結果から分かっています。このことは、動物実験でも再現されていて、食欲調節や脂肪蓄積特性はプログラミングを受ける生体機能系の代表的なものとされています。

我々は、出生直後の栄養制御に着目して、初乳の増量給与による発育強化を目指した研究を実施しています。目標として、飼育期間20ヶ月(現在の通常は約30ヶ月)で650kgの牛の肥育に挑戦しています。