ダウン症児者とその家族を対象とした自助組織の意義に関する世代間意識差の検討

内容

知的障害や発達障害など、特別な教育的支援を必要とする子どもたちへの支援は、家族も含めた包括的支援が有用です。特に療育資源が乏しく専門家による支援が届きにくい地方では、家族支援の存在は大変重要で、地域や専門家が家族をどう支えるかは、重要な地域福祉課題といえます。東北地方のある中規模都市で四半世紀以上活動実績があるダウン症児者の自助組織に協力を依頼し、年齢・性別・障害当事者の同胞の有無・障害当事者の年代それぞれに偏りが無いよう抽出され、研究協力に同意した構成員(障害当事者の親)8名を協力者として、半構造化面接を実施し、それを文字化した上で質的分析として理論的コード化を試みました。その結果、年少世代(障害当事者が幼児・児童世代)と年長世代(障害当事者が成人世代)との意識差が鮮明になりました。