青森県における人口移動・地域定着パターンの世代間変化と家郷意識の形成・変容

内容

 弘前市周辺部、三沢市の市街地に近い農村・集落、および下北半島北通地区で生業と移動に関する予備調査を実施しており、各調査地における調査対象となる方々との一定の信頼関係を構築してきました。(a)人口を動態的にみて(人口移動)かつ質的調査によってライフコースとの関連から捉えることで(b)各地域に特徴的な人口移動と地域定着の世代別パターンと家郷意識を抽出し(c)青森県各地域の人口移動特性を反映したライフコース・パターンが小人口社会に提出するヴィジョンを検討します。国勢調査ベースの静態的な人口把握だけでは、地域のポテンシャルを測るのに不十分です。たとえば週末に孫を連れて帰ってくる近傍小都市に暮らす子ども夫婦の存在は反映されないし、Uターン動向についての変化の予測も立ちません。したがって、その地域に現在関わっている人口(交流人口)、将来的に移入が予想される人口(人口還流・移入)あるいは人口の地域定着にいたる意識や決定的な環境などを勘案するための質的調査と組み合わせて、人口移動を総合的に把握することが必要です。