妊娠時の血圧値を指標とした新しい生活習慣病予防システムの構築

内容

妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの周産期合併症を発症した女性が、後に高血圧症や糖尿病といった生活習慣病を発症するリスクが高くなることが、複数の論文で報告されてきました。その一因として、女性にとって妊娠は最大のストレス要因であり、妊娠そのものがその後の生活習慣病のスクリーニング的役割を担っている可能性が極めて高いと考えられます。妊娠時の血圧値に着目し、中高年女性が所持する過去の母子健康手帳を利用して妊娠時の血圧値とその後の生活習慣病発症との関連性を疫学的に検討し、さらに科学的に実証することを目指しています。将来の生活習慣病発症リスクという新たな観点から、血圧値の基準を定め、出産直後という早期の段階から「生活習慣病へのなりやすさ」を自覚させ、効果的な疾病予防へとつなげることができます。これにより、多くの中高年女性のヘルスケア向上にも寄与できると期待されます。