小児がん患児のきょうだいへの母親を介した間接的かかわりモデルの検討

内容

 長期間に及ぶ小児がん治療のための入院や、母親が患児に付き添うことによる母子分離や祖父母などに預けられるための環境の変化などにより、きょうだい自身にも精神的・身体的変化が起こることが明らかにされています。チックや反抗的態度、情緒不安定、登校拒否などの不適応が見られたという報告や、心理的に生活年齢に相当した成長ができずに、消極的で自己存在感に乏しいという報告もあります。一方、年長児や患児の病気についてきちんと説明を受けたきょうだいには、「やさしくなった」「家の手伝いをしてくれるようになった」とプラスの変化が見られるという場合もあります。つまり、関わりかたによっては、患児の入院や母親の付き添いによる母子分離は、きょうだいの精神的成長を促す場合もあると考えられ、きょうだいへの関わりの重要性は明らかです。別の研究では8割の看護師がきょうだいへの支援の必要性を感じながら、実際に支援したことがあるのは6割に留まり、きょうだい支援が不足していることがわかります。