脳賦活にとって最適な後頚部への電気刺激の刺激条件の解明

内容

 電気刺激は主に疼痛の軽減を目的として、リハビリテーション医療において多用されている非侵襲的な介入手段であり、脳をより効果的に賦活し得る刺激条件を解明することが出来れば、本邦で大きな社会問題となっている認知症などの高次脳機能障害のリハビリテーションに多大な波及効果をもたらし得ると考えられます。近年、後頚部への電気刺激により脳障害患者だけでなく健常者においても高次脳機能や姿勢保持能力が改善されることが幾つかの先行研究により指摘されています。この機序については、主な仮説として、後頚部への電気刺激により脳への感覚情報入力が増加した結果、通常時よりも脳が賦活されるということが提示されています。しかし、先行研究において、後頚部への電気刺激に用いられている刺激周波数は100Hzに限定されており、これよりも低い、もしくは高い刺激周波数を用いた場合の、高次脳機能や姿勢保持能力変化に関する検証が必要です。