看護アセスメントにおける看護者の思考過程に関する研究

内容

 看護過程の最初のステップであるアセスメントとは、情報の収集・分析を行い、対象者のニーズを把握することです。適切な看護ケアを提供するために重要ですが、アセスメントを困難に感じている看護者が多いにもかかわらず、その思考過程を明らかにしている研究は少ないのが現状です。県内2施設の外科病棟に勤務する看護者20名 を対象に、①看護者のプロフィールに関する調査として、経験年数、年齢、性別、最終学歴等、 ②アセスメントに関する調査として、年齢、疾患名、術式、術後経過等の患者情報を収集、分析しました。多くの看護者が術後合併症である「肺合併症」を本事例の看護問題として捉えており、患者の状態や検査結果、生活歴などの術前・術後の患者情報をもとに判断していると考えられます。術後患者にとって「家族の支援を得られる」ことが重要であり、家族関係や面会の有無などの情報から判断しています。看護師経験年数や認知スタイル、最終学歴によって潜在型、実在型の看護問題、強み名に差異がみられ、看護問題・強みの捉え方に看護者の特性が影響することが示唆されました。