ホールドープ型グラフェン太陽電池の研究

内容

グラフェン太陽電池を製作するには良質のグラフェンが必須条件です。化学気相成長装置(CVD)によって、Ni基板上に製作されたグラフェンの走査型電子顕微鏡(SEM)イメージとラマン分光スペクトルを観察しました。SEMイメージから広い範囲でグラフェンが均一に製膜されたことが分かりました。また、ラマン分光スペクトルの1580cm-1と2700cm-1付近のピークはGと2Dと呼ばれ、その比からグラフェンの質を判断することが出来ます。ピークの強度比が約2倍になると、良質のグラフェンが製膜されたと考えられます。Ni基板上の良質なグラフェンを、ポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いた転写法によってSi上に薄膜を形成させ、グラフェン太陽電池を製作します。ホールドープの方法として熱蒸着法を用います。グラフェン太陽電池の性能評価は、I-V曲線測定を暗室およびソーラーシミュレータを用いて行います。また、その電子構造を解明するため、吸収分光および光電子分光を測定します。