小型拘束モータの高効率化・軽量化に資する非晶質軟磁性コアの創製とデバイス試作
- 久保田 健
- 准教授
- 北日本新エネルギー研究所
- 公開 2016.02.25
- カテゴリー(環境・エネルギー)
- キーワード(Fe76Si9B10P5合金 , アモルファス系軟磁性材料)
内容
既存アモルファス合金と同等以上の軟磁性を有し、かつ超急冷を必要としないFe-Si-B-Pを見出しました。同合金系は、安価な元素のみから構成され、大気中製造が可能であるため、アモルファス系軟磁性材料の用途拡大を検討する絶好の素材といえます。よってバルク形状のFe76Si9B10P5合金アモルファスコア材を作製し、薄帯と粉体以外の応用展開を見据えた各種特性調査を行い、実用化可能性を評価します。アモルファス軟磁性合金は優れた軟磁性を有するため、電力変換回路(トランスやモータ)に実装した際のエネルギーロスは、既存主流の電磁鋼と比して約20%と顕著に低減できるとされています。しかし超急冷によってのみ製造される合金群であり、得られる形状は薄帯や粉末(厚み/粒径で30mm以下)のみに限定されるため、実用化例は少ないものです。
棒状分割加工もしくはリング材縁取り加工ができれば、モータのコア部材となります。これを用いて、試作機の作製・評価を目指します。バルク材は強度が確保される反面、薄帯積層材や粉末焼結材と比べて周波数性能に劣るため、バルク材の優位性を確保しながら周波数性能を向上させる研究に取り組みます。