フッ素系ナノレベル高分子材料の創製と応用

内容

 従来、フッ素系有機化合物はフッ素の強い電気陰性度により「反発」する機能が活かされ、撥水・撥油剤等の分野への応用がなされてきました。当研究室が発見したフッ素の「凝集」する機能を新たに活かすことにより、ナノレベルで構造が制御されたフッ素系高分子集合体の開発が可能となりました。フッ素系高分子集合体をコアとすることにより種々の無機微粒子、抗菌剤、機能性有機色素等をカプセル化させることが可能となります。フッ素セグメントが高分子主鎖両末端のみに導入された含フッ素高分子化合物においては、末端に導入されたフッ素セグメントは反発するのではなく、逆に凝集する効果を高分子フッ素化学の分野において世界的にも初めて見いだしました。この凝集する効果が活かされ、これら一連の含フッ素高分子化合物は自己組織化した新しいタイプのフッ素系高分子ナノ粒子を構築します。