多彩な形の分子が創り出す新しい液晶の世界配向処理が不要な高画質表示媒体

内容

 液晶相における秩序制御の方法論の開拓や新たな機能の発現を目指して分子を創り、その性質を調べています。アモルファスブルー相という特殊な液晶相の分子設計指針を明らかにし、世界で初めて高画質ディスプレイとなることを実証しました。現在の液晶ディスプレイにはネマチック液晶が使用されており、黒を表示するために分子を均一に配向させることが必要です。一方、ブルー相という特殊な階層構造液晶相は光学的に等方であることからどこから見てもきれいな黒を表示することができ、さらに電界に対して高速に応答します。しかし、発現温度幅が狭いことが課題でした。ブルー相のなかでも液体に近いアモルファスブルー相(BPIII)に着目し、その温度幅を広げることに成功し、室温で応答時間が1ms以下となる高速応答を実証しました。現在実用化に向けて開発を行っています。