真空熱分解法によるシリコンナノ構造形成とその反応機構

内容

無酸素雰囲気の中でシリコン酸化膜を加熱すると、酸化膜が不均一に熱分解し、酸化膜中にボイドと呼ばれる貫通穴が形成されます。一定条件下での加熱冷却サイクルにより、ボイド内に同心状のシリコン微細構造が形成されます。形状・凹凸高さ・構造の間隔等を制御することができます。シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成させ、無酸素雰囲気中で800℃以上で加熱すると、ボイドと呼ばれる基板まで達する貫通穴がランダムに生成されます。また、一定条件下での加熱冷却サイクルにより、ボイド内に同心状のシリコン微細構造を形成することができます。さらに、シリコン基板の面方位を変えることにより、ボイドの形状を正方形、六角形、変形六角形等にすることができます。このような微細構造を完全制御して形成可能になれば、半導体量子効果デバイスや量子井戸光デバイスとして、工学的応用面での利用が期待できます。