超新星の明るさの分布を用いた宇宙初期密度揺らぎへの観測的制御

内容

 遠くの超新星を出た光は非一様宇宙を伝播する途中で重力レンズを受けるため、明るさが変化します。
 観測されている明るさの分散から宇宙の小密度揺らぎへ観測的制限を与えます。密度揺らぎの非線形進化は宇宙論的なN体重力計算を用いて計算し、暗黒物質の重力進化を追いました。非線形密度揺らぎのパワースペクトルを求め、重力レンズ効果による超新星の明るさの分散を理論的に計算しました。計算から求めた明るさの分散と観測値を比較し、パラメータに対する上限、すなわち観測的制限を加えることができ、具体的な数値を論文にまとめています。