分娩陣痛開始の判断に関する助産師の視点

内容

医療職者は、子どもと妊産婦の健康に配慮し、質の高いケアの提供と生命の危険を伴う一大イベントとなる出産まで安全に導くことが必要です。安全で満足な出産で健康な子どもを得ることは、女性とその家族にとって大きな喜びとなり、親として育児への良いスタートともなります。安全で満足した出産のために、分娩第1期の初期から個々の産婦に応じた、質の高いケアが助産師に求められています。
分娩陣痛開始の基準は、子宮収縮に重点を置いて定義付けられています。医療職者は分娩に至る経過を振り返って分娩陣痛開始の判断をしているため、速やかに判断がされているものではありません。分娩陣痛開始の時点の判断は、臨床の現場で助産師にとって、陣痛周期のみでの判断は難しく、経験に裏打ちされた独自の情報を視点として判断している実情があります。実際には、分娩陣痛開始の産婦の感覚は、規則的な子宮収縮を自覚せずに他の症状を訴える場合が多くあることから、分娩陣痛に付随する産婦の症状は様々であり、医療職者の判断も個々により異なります。