脳卒中患者の呼吸機能低下の病態に合わせた呼吸体操の試作

内容

 医療的進歩に伴い脳卒中生存率が延長しており、脳卒中後の後遺症の影響を最小限にし、退院後も心身ともに健康的で活動的な生活を保つことが重要となっています。脳卒中の後遺症では、呼吸機能低下が生命予後に重篤な悪影響を及ぼしますが、現存の呼吸リハビリテーションではその病態に適した治療の展開が難しい状況です。そのため、脳卒中の病態に応じた呼吸訓練の考案が急務ですが、その試みは国内外ともに少ないため、脳卒中患者の呼吸機能の特徴に合わせたプログラム開発に取り組みました。病態に則した呼吸体操により、脳卒中患者は簡便、安価かつ安全に機能的な生命予後を維持することができ、発症後の良好なQOLを築く一助ともなると思われます。さらに、患者一人一人の障害や能力に合わせたオーダーメイド医療、すなわち残存機能・能力を活用し高めるアプローチが可能となり、呼吸リハビリテーションの発展にもつながります。