分子生物学的手法による大動脈弁石灰化抑制機序の解明と治療の確立

内容

 再現性のあるウサギ大動脈弁硬化症モデル大動脈弁狭窄症モデルまたは大動脈弁石灰化モデルを確立し、その石灰化機序を分子生物学的手法により検討します。ヒトと動物モデルによる大動脈弁石灰化機序が同じであることを確認できた後、この系での石灰化が薬物治療により抑制できるかを検討し、投与方法は全身投与とドラッグデリバリーシステムによる局所投与を予定しています。Gla蛋白による石灰化抑制機序について、ビタミンKがどの部分で関与し得るか、またワルファリンによる石灰化促進機序について、分子生物学的手法を用いて我々が行ってきた実験系で検討する予定です。2週間,4週間および8週間飼育した各群のウサギを犠牲死させ心臓を摘出し心筋重量の変化を測定します。大動脈弁の一部は顕鏡でその変化について検討します。摘出した大動脈弁からさらに間質細胞を抽出、培養し、石灰化の程度をVon Kossa染色,Akizarin Red S染色で確認します。動脈硬化ウサギでは、大動脈壁は全体に白濁し、壁も肥厚しています。この間質細胞に発現する骨形成促進遺伝子の同定に取り組みます。