日本の高齢者におけるPEM(たん白質・エネルギー低栄養状態)の実態

内容

栄養バランスが不均衡である状態とは、低栄養・過栄養・特定栄養素の過不足により引き起こされます。日本の高齢者は、健康に気を遣うあまり、野菜と魚中心の食事になりやすく、動物性たん白質の不足により栄養不足に陥っています。従来、栄養所要量または食事摂取基準を指標とした食事を提供されてきましたが、疾病やストレスを抱えた患者にとっては、消化・吸収障害や必要かつ適量の栄養量を見極め、適切な方法で摂取することが求められます。たん白質とエネルギーが不足すると、皮下脂肪の増加、筋肉喪失が発生し、低アルブミン血症、浮腫などがみられるようになります。合併症を起こしやすく、入院日数が長くなれば、医療費が増大し、QOLが低下します。免疫力の低下から感染症や肺炎も起こしやすくなります。血清アルブミン値3.5G/D1以下になると、日常生活動作能力に影響が出始めるため、高齢者の栄養管理が重要と考えます。