リボソーム形成阻害を標的とした新規抗生物質開発

内容

生物の細胞内にはDNA情報に基づいたタンパク質を合成するために「リボソーム」が存在しています。リボソームはとても大きなタンパク質で、大小2つのサブユニットで構成されており、サブユニットは複数のタンパク質とRNAから成っています。
この巨大タンパク質「リボソーム」の形成プロセスは、数十から数百種類の成熟因子が関わると考えられていますが、その全容は未だに解明されていません。
我々は、小サブユニット内にGTPの加水分解活性を促進するタンパク質を新たに発見し「RsgA(Ribosome Small subunit-dependent GTPase A)」と命名しました。そして、このRsgAがリボソーム形成に関与していることを明らかにしましたが、これを基礎としてリボソーム形成過程における他の因子の関与ついても研究を進めています。
細菌のリボソームを標的とする抗生物質は数多く知られておりますが、細菌リボソームの形成過程は次世代の抗生物質のターゲットとして期待されています。そうした意味においても、産業界との連携を繋げていきたいと考えております。実験系、assay系の構築等アイディアを共有させて頂きます。