白血病発症リスクを低減させる為のゲノミクス解析

内容

 小児白血病に関連した病気の中に、ダウン症の新生児の内5-10%が発症する一過性骨髄異常増殖症(TAM)があります。TAMは、赤血球と深い関係があると考えられているGATA1タンパク質をコードする遺伝子の異常が影響していると考えられていますが、70%の患者さんが自然に寛解、30%の患者さんが死に到ることが知られています。また、寛解してもその20%の患者さんが白血病(ML-DS)を発症します。
 これまでに1から83番目までのアミノ酸が欠損したGATA1sタンパク質が、TAMおよびML-DSの芽球に発現していることが分かりました。また最近になり、TAMからML-DSへの進展に関わる遺伝子変異についても明らかにすることができました。(nature genetics誌掲載;2013年)。
 今後、TAM発症やML-DS進展に関わるメカニズム解明と白血病細胞の検出感度を上げることにより、治療法や発症予測の向上が期待できます。