地域における耐性菌分離状況・薬剤感受性の分析システム – 感染制御に関するネットワーク

内容

 高品質な感染制御の実践には地域医療圏全体で取組みが必要である。弘前大学感染制御センター、検査部においては、青森県内の医療施設で分離される細菌の検査情報を集約し、各参加施設が自由に細菌分離状況や薬剤感受性状況をリアルタイムに分析できる青森細菌検査情報ネットワーク:Microbiological information network Aomori(MINA)を平成26年度に構築し、平成27年度からは青森県における分離細菌に関する定期的分析と報告が行われる体制となった(図1)。MINAと並行して、平成25年に発足した青森県感染対策協議会(Aomori Infection Control Network = AICON)も活動が本格化し、一部の施設では薬剤処方状況の施設間比較が開始されている。これらの情報の共有化と相互分析は、客観的評価の難しかった感染制御に対して、感染性制御の質の客観指標の検討を可能にするものであり、今後地域医療圏全体の感染制御の質の向上への寄与が期待されている。