三次元積層培養リンパ管形態形成における低酸素状態の影響

内容

 悪性腫瘍組織中心部の低酸素状態はリンパ管新生を誘導し、リンパ行性転移を促進すると考えられています。今回、新たに構築した独自のヒトリンパ管形成モデルを用い、低酸素誘導因子がリンパ管の新生と構築にどのように作用するのかについて、解析を行いました。これまで、リンパ管形態形成およびそれに関わる分子の発現動態の解析は困難でした。当研究室では三次元積層培養法を用い、低酸素環境がリンパ管ネットワークの形成にどのように影響しているか、解析を行いました。特に内皮細胞接着装置の形成動態に着目し、リンパ管ネットワークの構築に対する低酸素誘導因子の役割を明らかにしていきます。これによって、がんのリンパ行性転移の全容解明につながると期待されています。