転写因子Nrf2の転写活性化メカニズムの解析
- 伊東 健
- 教授
- 医学研究科
- 公開 2016.02.24
- カテゴリー(医学・薬学)
- キーワード(ストレス予防 , 塩基性ロイシンジッパー構造 , 抗酸化物質応答配列 , 転写因子)
内容
Nrf2はDNAやタンパク質などの生体高分子を酸化して攻撃する親電子性物質、活性酸素および活性窒素種などの様々な反応性分子種により活性化されて、標的遺伝子の転写を増強します。酸化ストレスに防御を担うNrf2が破綻すると、炎症・免疫系、代謝・神経などに異常を引き起こします。さらに詳細なNrf2活性化メカニズムを明らかにするため、Nrf2と相互作用する分子を同定し、親電子性物質応答における役割を解析しています。これまでに、細胞周期に関わる因子やヘテロクロマチンと関連する因子を同定して、それらのNrf2転写活性化への影響について解析を進めています。また、Nrf2タンパク質の転写活性化に関わるアミノ酸領域(ドメイン)について、相互作用する分子との関係を調べています。鉄を介した酸化ストレスの産生と変性疾患や、動脈硬化症の予防も目指します。