ミクログリア活性化時におけるベンゾジアゼピン受容体の発現メカニズムの解明

内容

 LPS(リポポリサッカライド)処理によりマウス由来の初代培養ミクログリアをM1型に活性化させPBRのmRNA量およびタンパク質量がどのように変化するのかを調べます。また、転写調節に重要なシスエレメントおよび転写因子を同定し、発現が調節されるメカニズムを明らかにします。神経細胞に異常が生じると、ミクログリアは炎症を引き起こすM1型、細胞保護作用を示すM2型の二相性の活性化をすることが知られています。自閉症患者において、ミクログリアが恒常的にM1型へと活性化していることが報告されこの検出には特異的標識剤を用いたPET検査が広く行なわれています。様々な標識剤が開発されており、それらはミトコンドリア外膜に存在する末梢型ベンゾジアゼピン受容体を認識する化合物です。自閉症のみならず、統合失調症やアルツハイマー病などにおいて、PBRが増加することは知られていますが、どのようなメカニズムで増加しているのかは全く研究されていません。