ヒト脈管系内皮細胞キメラ小型魚類モデルの確立

内容

 近年、生体内での組織構築機構を解明する目的で様々なバイオイメージング法が開発されています。中でもゼブラフィッシュやメダカなどの小型魚類は、体外受精であることやその胚の透明性からバイオイメージングに適しており、脊椎動物の血管やリンパ管、神経などの形成過程に関する研究に多く用いられています。小型魚類の体内でヒトの組織を作ることを考え、ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC) をフィブロネクチンとゼラチンでコーティングした後、蛍光標識し、血管とリンパ管がEGFPを発現するTGゼブラフィッシュ胚にインジェクションしました。その後35℃で飼育し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて経時的に観察を行いました。血管やリンパ管などの脈管系が体内でどのように形成・成熟するのか、脈管内皮細胞の動態をイメージングするモデルとして、ヒト脈管内皮細胞キメラゼブラフィッシュの確立を目指します。