グリコサミノグリカンの暗号解読

内容

グリコサミノグリカンはクラスター結合によりグリコサミノグリカン間で会合し、コラーゲンに結合することを発見しました。この相互作用は関節破壊性疾患の予防と治療に必要な知見となります。また細胞外マトリックスを操作して細胞を制御することができれば、癌治療への応用につながることが期待されます。グリコサミノグリカン(GAG)の構造は多様で複雑であることから、その働きが解明されているものは少ないと言えます。GAGに隠されている未知の機能情報をGAGの暗号と考え、この暗号解読に取り組んでいます。プロテオグリカンに共有結合したGAGが密集することでコラーゲンに結合することを見出し、GAGの“クラスター結合”という新しい結合様式を提案しました。このクラスター結合によりGAG同士が会合することを発見しました。軟骨を始めとする細胞外マトリックスは、GAGのクラスター結合により充填されていると考えられます。