原発事故による住民の外部被ばく線量低減手法に関する基礎的研究

内容

福島第一原子力発電所事故によって生活環境中に放射性セシウムなどの放射性物質が放出されました。事故によって放出された放射性物質からの被ばく線量を評価し、その低減手法を検討しております。また、事故前から自然界に存在していた放射性物質の評価も行っております。環境中における放射性セシウムの移行は、水平方向と比べると鉛直方向に対する移行は無視できる程小さいことが分かりました。放射性セシウムの深度分布の調査結果より、表層から5 cm深までに134Csおよび137Csがそれぞれ90%以上存在していました。これは事故直後の報告と同じ結果です。したがって、住民の外部被ばく線量の効果的な低減策の一つとして、福島原発事故から3年以上が経過した現在でも表層5 cmの土壌の剥ぎ取りは有効であると思われます。しかし、剥ぎ取った土壌をどのように処理、管理していくか等、まだまだ多くの課題が残されております。