好酸球性中耳炎モデル動物を用いた病態解明と治療法の開発

内容

 代表的な難治性中耳炎のひとつである好酸球性中耳炎は、高率に難聴やめまいを引き起こす病気ですが、その病態には不明な点が多くありました。好酸球性中耳炎のモデル動物を新たに開発して、中耳炎の病態や難聴の原因究明や、治療法の開発にも取り組んでいます。好酸球性中耳炎は、気管支喘息に合併することが多い特殊な中耳炎で、好酸球浸潤が著明でニカワ状の中耳貯留液を特徴としています。中耳の粘膜は鼻腔粘膜と同じように上気道の性質を持っていますので、下気道の好酸球性炎症である気管支喘息に、上気道の好酸球性炎症である好酸球性中耳炎が合併した状態であると捉えることができます。この部位にはペリオスチンという細胞外マトリックスが発現することが明らかとなっていますが、我々は好酸球性中耳炎の症例の中耳粘膜にもペリオスチンが発現していることを見出しました。