内容
トレハロースはショ糖の異性体の二糖類で、水分保持力がある事から食品や化粧品および医薬品に添加物として広く用いられています。本研究は、トレハロースの眼科診療への応用研究です。
トレハロースの水分保持機能と角膜上皮保護作用により、ドライアイの治療に応用が可能であると考えています。また、トレハロースが繊維芽細胞や血管内皮細胞といった結合組織細胞の増殖を抑制する働きがあることが分かり、翼状片の治療への応用が考えられます（特許第5685751号）。緑内障への応用として、緑内障手術に世界で最も多く行われている線維柱帯切除手術では手術後に結膜に線維芽細胞が増殖して手術成績を下げることが多いのですが、これに対してもトレハロースが線維芽細胞増殖抑制をすることにより手術成績が向上すると期待されています。さらに、結膜のできる悪性腫瘍に対してもトレハロースの点眼治療が腫瘍増殖の抑制に効果があると考えています。