小腸における消化吸収機能と大腸の腸内細菌叢および腸内代謝産物についての検討

内容

本研究で用いる測定法は、内視鏡的逆行性腸管挿入法という当講座オリジナルのものです。小腸末端に管を留置し、そこから直接採取された腸液の栄養素や代謝物質、細菌の測定を行うというものです。つまりヒトを用いて消化吸収の舞台である小腸での消化吸収を直接測定するという画期的な方法です。近年生活習慣病の増加において健康食品に対する需要が増しています。食品の栄養素は小腸内で消化吸収され、回腸末端部にはその残渣である食物繊維が到達するものと考えられていますが、その関わりの詳細なメカニズムについては殆ど解明されていないのが現状でした。そこで内視鏡的逆行性腸管挿入法で小腸末端に管を留置し、直接腸液中の栄養素や代謝物質、細菌の測定を行います。腸内での生理作用を解明することにより、生活習慣病に対する有効性を正しく評価する重要な指標になると考えています。