ポリフェノールを用いたオステオカルシン誘導システムの開発

内容

 ローズマリーなどに含まれるポリフェノールの一種であるカルノシン酸が、骨芽細胞においてオステオカルシン遺伝子発現を増強させる効果があり、カルノシン酸を利用したオステオカルシン誘導系を用いて、骨粗鬆症や糖尿病の新たな治療薬を開発できる可能性があります。オステオカルシンは骨芽細胞から分泌される骨基質タンパク質のひとつで、骨形成促進に働くタンパク質です。オステオカルシンはホルモンとしても働き、すい臓β細胞からのインスリン産生を上げたり、脂肪細胞のインスリン感受性を上げることにより、体内のエネルギー代謝を活性化する作用があることも知られています。実際に、骨粗鬆症や糖尿病において血清オステオカルシン濃度が低下していることも報告されています。このことから、カルノシン酸によって体内のオステオカルシン産生を上昇させ、骨粗鬆症や糖尿病を改善できる可能性があります。