ヒアルロン酸合成酵素HAS2の活性化機構の解明

内容

 ヒアルロン酸合成酵素HAS2の活性調節機構の研究を進め,この酵素の活性化に関与するリン酸化修飾について調べています。ヒアルロン酸合成のコントロールが可能になれば,組織の機能維持や加齢に伴う種々の病態の軽減,あるいは癌治療への応用につながることが期待されます。ヒアルロン酸の合成量は加齢とともに減少し,さらにその低分子化も進むため,高齢者になると関節組織の機能低下を招くなどの加齢変化が現れてきます。また,癌細胞周囲にヒアルロン酸の豊富な環境が形成されることが知られており,癌細胞の増殖や浸潤・転移が助長されることが知られています。ヒアルロン酸は加齢や病気との関連の深い多糖でありヒアルロン酸合成酵素により作られるため,ヒアルロン酸合成酵素HAS2のリン酸化による活性調節機構を明らかにし,これを利用したヒアルロン酸合成の人為的調節の実現を目指しています。