ESRイメージング法による皮膚角層の画像化の開発

内容

 皮膚は人体最大の免疫臓器で、様々な疾患を映し出す鏡ともいわれます。皮膚状態を画像分析することでお肌の状態が分かります。一方、アンチエイジング目的の化粧品開発においては、細胞や人工皮膚を使った安全性試験が求められ、皮膚の画像化でエイジレス社会構築の一助となる可能性があります。電子スピン共鳴(ESR)法は電子をプローブとします。MRI(磁気共鳴イメージング)は水素の核スピンをプローブとします。基礎理論はどちらも同じですが、電子スピンは核スピンよりも千倍以上軽く感度が良いです。脂質構造の状態(乱れ)についての簡便かつ正確な測定法として、脂肪酸のプローブ(皮膚状態を伝える試薬)を用いて皮膚角層の画像化し分子レベルで解析します。ESRの高感度性を生かしたこの手法は、これまで判別できなかった角層状態の分子レベル評価を可能とし、皮膚科学関連分野で利用できる優れた研究手段になると期待されます。