リンゴの摘果作業を簡便にするえき花芽分化に関する制御法の確立

内容

 リンゴのえき花芽の分化が抑制できれば、摘花・摘果の労働時間が短縮でき、省力化・軽労化に対応する有効な手段となることが期待されます。リンゴのえき花芽の形態的な分化時期を調査し、植物成長調節剤の散布により、えき花芽に対する分化の促進・抑制効果について調査しました。‘王林’の方が‘ふじ’よりえき花芽の分化・発達が早い傾向にあり、‘王林’は7月下旬頃から8月上旬、‘ふじ’は8月から9月にかけて分化が見られました。えき花芽の形態的分化期は、‘王林’は7月下旬頃、‘ふじ’は8月上旬から中旬頃と考えられます。えき花芽分化率をみると、‘王林’は短果枝頂芽とほぼ同時期、または少し遅れて分化していると推察され、‘ふじ’は短果枝頂芽より1ヵ月ほど遅れて分化していると推察されました。使用した植物成長調節剤、散布時期はえき花芽の分化抑制に有効ですが、えき花芽数が少ない年の散布や、果実の着果量によっても効果が異なるため、今後の検討課題となります。