内容
飼料用米栽培圃場から流出する水質を調査した事例は少なく、栽培の需要が増える前に明らかにしておく必要があります。同様に飼料用米栽培圃場における生物調査はほとんど前例が無く、環境保全型農業を進める際に貴重な資料となります。環境への影響を明らかにし、改善策を検討していきます。青森県では、近年、飼料用米の栽培が増加し、国内で1、2位の作付面積をもちます。飼料用米栽培では粗放的な栽培管理が行われ、施肥を通常の1.5~2倍施用する指針があるなど、水質や生態系等、環境への影響が考えられます。今後、国の食料自給率向上のため、あるいは、食の安心安全のために補助金制度によって飼料用作物の生産が推進されると考えられます。青森県農林水産部畜産課飼料環境グループの協力を得て、つがる市および五所川原市において、農家の同意のもと水質調査を行いました。用水路よりも排水路、水田内のTN、TPの濃度が高い傾向が見られ、何れの地点においても雑草および藻が発生していました。生物調査では、魚類・昆虫等数種類が観測され、周辺の水田との差は見られません。ICT技術を利用して、省力化あるいは高品質化できる可能性があります。