農林水産物の癌予防効果を評価するための動物実験法

内容

 倫理的な問題がないショウジョウバエを用いた動物実験法を開発しています。「遺伝子変異細胞の除去効率」に基づいた癌予防効果評価により、農林水産物の機能性を見出します。癌発症率の低下を促すことで、「短命県青森」の汚名返上と医療費削減を目指しています。体内では様々な環境因子により常に染色体が傷つき、遺伝子の変異した細胞が現れます。殆どの変異細胞は周囲の細胞などによって取り除かれますが、除去されそこなった細胞に更なる変異が加わり続けると、その一部が無限増殖能と転移能を獲得した細胞、すなわち癌細胞になると考えられています。「効率的な変異細胞の除去が癌予防に繋がる」といった考え方に基づき、癌予防効果を持つ農林水産物評価法の開発に着手しています。具体的には、体内に遺伝子変異細胞が混在するショウジョウバエを作製し、様々な農林水産物を含む飼料を与えます。変異細胞数の減少を促す飼料を「癌予防効果あり」と判定します。ショウジョウバエの高い繁殖力、短い成長期間、高度な遺伝学的解析が容易といった特徴を活かすことで、安価でハイスループットな農林水産物のスクリーニングが可能となります。