モデル水産植物スサビノリの大量培養技術

内容

 日本では、海苔は江戸時代から養殖され、水産物の中でも重要な地位を占めています。スサビノリの培養方法を改良し、安価で、気体導入口を有する透明プラスチック製自立包装袋(簡易式培養容器)を開発できたことで、室内における大量培養技術が確立されました。ノリの養殖産業の中で最も代表的な品種はスサビノリであり、わが国の水産物の中でも重要な地位を占めています。しかし、近年は、有明海の養殖海苔の白化問題や陸上作物同様の菌類の寄生による病害などが多発し、生産高の約20%に相当する損害が出ることもあります。そのため、ノリの生産を安定させ、かつ高品質・高収量そして耐病性などの株の品種改良に向けて、ノリ独自の育種技術が必要です。そこで、スサビノリの組織培養に関する基盤研究開発とその成果を基に、簡易式培養容器やスサビノリの大量培養技術を開発し、持続的な海苔養殖産業への貢献を目指しています。