ミドリゾウリムシを用いた細胞内共生の研究

内容

 ミドリゾウリムシは単細胞の原生生物で繊毛虫ゾウリムシの仲間ですが、大きな特徴として細胞内に数百個のクロレラ様藻類が共生しています。培養が容易であり、共生藻を除去した白化株の作成や共生の再構成も可能なことから、細胞内共生のしくみを研究するためのモデル系として有用と考えられます。また単細胞生物でありながら多様な行動を示すことから、さまざまな応用研究も期待されます。さらにさまざまな実験が容易なことから、生物実験の教材としても有用です。
 特に当研究室では、酵母を餌とするミドリゾウリムシの無細菌培養系を独自に確立しているため、比較的短時間で大量に純粋なミドリゾウリムシ細胞を得ることが可能です。また、ミドリゾウリムシの野外採集に関してもノウハウを蓄積しており、白化株の作成についても効率のよい方法を確立しています。